一応連休なので長野県を越えて岐阜県の山中までやってきた。ヘリコプター的にはスカだった。しかし山の残雪と麓の新緑が美しい。まだ桜が咲いてないことに驚く。ヘリコプターがいないので諦めて風景を撮ろうと思って200-500から70-200に取り換えた。山を撮って満足したのでクルマに戻ろうと思った。すると遊歩道に何かいる。鳥だ。初めはコジュケイかなと思った。アレ?でもデカいな。色的にキジのメスかな。その時長い尾羽根が目に入った。あっ!これはヤマドリ?ヤマドリじゃないか!うおおおおーと叫びそうになるのをグッとこらえてピクリとも動かず木立する。ヤマドリは特に警戒することも無く遊歩道を下からこちらに向かって歩いてくる。こんな近くでこの鳥と出会えるとは!こんな機会は二度と無いだろう。カメラを構えようか迷う。少しでも動いたら飛んで行ってしまいそう。少しずつカメラを顔に近づける。短いレンズに替えてしまったことを後悔する。ゆっくりゆっくりヤマドリの歩みに合わせてカメラを構える。ISOを上げてシャッタースピードと絞りを変える。さすがにちょっと薄暗い。大丈夫。ヤマドリは落ち着いている。バシャバシャとシャッターを切る。大丈夫。逃げない。どんどんこちらに近づいてくる。
ヤマドリはシャッターの音も気にせず近づいてきたがやがて遊歩道の柵の向こうにゆっくりと歩いて消えていった。時間にしてホンの5分くらいだったか。夢のような時間だった。中学2年生14歳くらいからバードウォッチングしてきたがヤマドリと出会えることは無いだろうなあと思っていた。こんなことがあるなんて。人生何があるかわからないものだ。